スーパービーボーイコミックスの新田祐克
さんの「春を抱いていた 14【最終巻】
」です。
【 あらすじ 】
岩城がくれた御神毛を胸に危険が伴う中東ロケに旅立った香藤。プレッシャーも愛の力で跳ね返し、演技のボルテージは最高潮に…! 一方、事務所から突きつけられた「独立認めず」の回答に岩城の怒り炸裂! 彼の下した決断とは? 描き下ろし長編読み切り「ライフ・ライン」110ページ収録。
※あらすじはセブンアンドワイから頂戴しました<(_ _)>
新田祐克「春を抱いていた 14 (スーパービーボーイコミックス)」詳細はこちら
【 感想 】
※感想が長いので、気をつけて!
あと、当然のごとく、ネタばれもあります。
最終巻だなんて、マジで信じられません・・・!
・・・というか、もともとコミックス派だったので何も知らず、色々な騒動があったあとに呑気に色々な事情を知った状態でした。
そして、密かに心配しながらもどうなるのだろうと沈黙し続けて、「14巻が発売される」ということだけを知って購入して、通販で家に届いて初めて『これで終わりだ』ということを知りました。
この作家さんはデビュー作からずっとコミックスを買い続けていた方の一人で、作風や絵の傾向もとても好みの作家さんです。
そんなわけで、このお話も連載当時は雑誌で読んでいましたし、現在は雑誌を読まなくなりましたが、コミックスで首を長くして待っていたので、最終巻という響きがとても切なくかんじました。
個人的には、「まだまだ続きが描けるのではないか?」と思ってしまい、この1作品を通しての総合の感想も書きたかったですが、ちょっと難しいかもしれません。
密かに二人がおじさん?になってある程度関係が落ち着いてきたくらいで終わってくれたらいいなと思っていました。
そして今回、出来れば、まだもうちょっと岩城さんと香藤を見ていたい、続きの巻を待たせて欲しいと思ってしまいました。
かなり寂しかったのが、あとがきがなかったこと。
出版物は一度発行すれば、どうやっても地上のどこかに残っているものだとあたしは思います。
なので、できればあとがきも入れて欲しかったというのが非常に強いです。
カバー折り返し部分に一言だけあった『出来る全てを作品に込めました。どうか読んで下さい。』が切ないです(>_<)
長編描きおろしの『ライフ・ライン』、いつもと絵が違っているようにかんじたのは、渾身の力で描かれたからか、また雑誌掲載時とは違う描きおろしだっただけに、じっくりと描く時間が取れたのではないかと、勝手に思うことにしました。
もうちょっと年齢を重ねた二人が描かれていなかったので、何らかの形で見てみたいと望んでいます。
新田先生、素敵な作品を世に生み出してくださって、どうもありがとうございました!
発売してくださってありがとうございました!!
というわけで! 普通に感想です!!(#^.^#)
■スタンドオン・ベッセル
13巻の続きから。
弾丸飛び交う中東へロケに行く香藤がお守りに持っていったもの──岩城さんの御神毛(笑)
中東での撮影をしている香藤が知らない間に、岩城さんの独立問題はかなりの深刻化をしていた。
社長が逮捕されてから、社長の息子が跡を継ぐ形になったが、役者の意見を聞かないで仕事をごり押しする社長に困惑の社員と役者たち。
独立を希望していた岩城さんが事務所に残る交渉に使ったものは、岩城が芸能界の父と慕う元・社長の提示した契約内容での更新だった──というお話。
独立するつもりだったのに、自分が出ていこうとした事務所のやり方が気に入らなくて、正義感あふれる岩城さんは現社長に仕掛けます!
そして岩城さんは 社長 に!!
岩城さんの熱心な姿勢に心動かされたのか、元社長が何故逮捕するに至ったのかを弁護士に話します。
現社長は立場的にも不利になると、実力行使で妨害してきます。
しかし、岩城さんの横には中東から毛穴を閉じることを身につけて中東から戻った(笑)香藤が!!
格好よく、夫(妻?)を見事に守り抜きますwww
ホテルに呼びつけた香藤にぐったりと持たれてる岩城さんが色っぽく、カット的に気に入りました♪
■プロポーズ・アゲイン
結婚(?)記念日に花を買い、マネージャー・清水さんの運転で帰宅中の岩城さんは、香藤が結婚記念日用にと毎年何かを買っているから貰っているんだろうという言葉にドキッとした。
今まで貰ったことがなかったからだ。
そんなドキリとした岩城さんの心情を何も知らずに、帰宅を待つ香藤がなんとなく外を見てみると、傘もささずに花束を持ったまま雨に打たれている岩城を見つける──というお話。
なんということはない、たんなるノロケ話です(笑)。
岩城さん、愛されてますwww
不穏な話のあとで読むノロケ話はなかなかいいかんじです♪
■ライフ・ライン
役者業に社長業にと頑張る岩城さんですが、とうとう倒れてしまう。
それを携帯のニュースで知った香藤が怒るという、普通の日常が描かれる中で突然起こった大地震──
燃える家を見てしまい、駆け寄ろうとした岩城さんを止めたのは清水さん。
そして香藤は、現場で大地震にあっていて連絡が取れなくなってしまう──というお話です。
健康管理について、香藤から幸せと健康について言い聞かせられたことを思い出した岩城さんは、崩れそうだった自分を立て直す。
そして香藤は、自分たちが現場で動ける状態じゃなくなっても生きることを考えていた。
香藤は、気力が半端ないですね!!
生きていこうとする力がすごいです!
・・・あたしだったら既に諦めていそうです(^^;)
避難勧告が解除されて、真っ先に会社に向かう岩城さんですが、東京の大地震ということもあり、芸能界としては仕事は白紙。
今後の見通しは厳しいものになりそうだった。
被災して、浅野が怪我をした。
落ち込む浅野に岩城さんがかけた言葉がよかったです!
香藤の映画を撮影していたスタッフも被災しており、監督が所有する旅館を宿にしていた。
スタッフたちは、旅館を提供してくれた監督にお礼を言いながらも、一緒に仕事をしていた仲間も亡くなった今、撮っていた映画はお蔵入りになるのかと話をしだした。
怪我をして松葉杖なしには歩けない香藤が、スタッフたちに伝えた言葉もよかったです!
まだまだ続けられそうな力あるお話が最後となりましたが、逆に力強く諦めずに「生きる」ことが題材の話が最後でよかったのかもしれないと思いました。
■最後に。
最初は仕事で会っただけの二人が、相手に興味を持って、性別を超えて人としてひかれていき、くっついてからも色々と波乱万丈な芸能界ストーリーを、非常に楽しませていただきました。
ストーリーの緩急がとてもよく、リアリティのあるイラストがより現実的な想像をさせられました。
雑誌の特集風のページや、実際にあるテレビにゲスト出演するシーンなどは、かなり楽しく読んでいました。
個人的に感じたのは、絵が好きという方と苦手のいう方が真っ二つにわかれていた作品かなと思います。
たまに「こんな急展開あるわけないだろう」と思いつつ、ぐいぐいと作品に引き込まれていき、気がつけば14巻。
97年の掲載からずっと読んでいただけに感慨もひとしおです。
いつも二人で困難を乗り越えてきた二人の話を読めなくなるのは正直寂しい。
最後の『ライフ・ライン』に全てのメッセージが詰まっている気がしました。
新田先生、お疲れ様でした!
どうもありがとうございました!!
何気に個人的に「手を出すまい」と思っていたドラマCD・・・
・・・欲しいんですが、どうしましょう?(笑)
新田祐克さん関連書籍>>
春を抱いていた関連CD>>

19/11/2009 at 22:49
こんばんは、あけみさん!
あけみさんも結構悩んで書かれていたようですよね、感想・・・。
自分のブログだから好きに書けばいいんでしょうけど、今回ばかりは悩みました。
悩んで、最低限を書いたつもりですが、やっぱ感想は長くなりました。
終わり方は、大変な中で頑張って綺麗に終わっていると思うのですが、やはり「もうちょっと年齢を重ねた二人」をいつか読めると思い込んでいただけに、そこが残念です。
また、何らかの形でみたいですね!!
19/11/2009 at 22:15
さくらさん、こんばんは。
書きたいことがたくさんあるような、でもなかなか言えないというか。
感想を書くのに悩んでしまいました。
いろいろとあった作品だし。
ですが、これで終わりか思うと、淋しいのは事実で。
>もうちょっと年齢を重ねた二人が描かれていなかったので
そうなんですよ。
あんなことがなければ、まだまだ続いていたかと思うと、残念です、正直。
もう少し年齢を重ねた二人を読んでみたかったですね。
15/11/2009 at 22:09
こんばんは、桃さん!
感想を書いてから、また1巻から14巻まで読み返すこと3回・・・(笑)
トータルで一気読みしてみてましたw
記憶力が悪いので、都合よくかなりのエピソードを忘れていたんで、楽しんでいました★
>雑誌掲載時からのかなりの修正と加筆
うーん。
やっぱりですよね・・・(^^;)
個人的にはコミックス派ですから雑誌掲載時を知りませんが、正直ちょっと消化不良ぎみなところがあります。
だからか、雑誌掲載時も読みたかったですよ・・・
変なところを見比べたいとかじゃなく、ストーリーの流れが知りたいですね・・・
まあ、色々難しいのはわかるんで、せめて15巻まで出てくれたら・・・!とか思っちゃったり。
あくまで一ファンなので勝手なことを言っていますが、この作品に出会えたことはよかったと思っています!
・・・ドラマCD・・・今なら気軽にポチッと予約しちゃいそうですよ(^^;)
でも、1巻から集めることになるんで・・・そうなるとかなりの散財が・・・とか、悩みますね。
多分、それでもドラマCD8巻は買っちゃうかも(笑)
14/11/2009 at 19:30
こんばんは、さくらさん。
スタンドオン・ベッセルには雑誌掲載時からのかなりの修正と加筆がありました。
まあ、Hシーンの増量は嬉しかったですけど(笑)。
これで終わりなのかなあという気持ちもまだまだ読みたいと思う気持ちと、色々と複雑です。
「ライフ・ライン」には新田先生の言葉が込められた作品だと思います。
あとは、CDvv
3枚組みなので、かなりお買い得だと思いますよ~vv